戸籍収集はこんなに大変!

相続サービスのご案内

まず、最初に申し上げておきたいのが、相続に関する手続きは極論を言ってしまうとすべて「自分で行うことが出来る」ということです。
 
司法書士が行うことのできる「登記」や「戸籍収集」(登記を前提とします)、税理士の専門領域である「相続税申告」なども、すべて「ご本人」であれば行うことが出来ます

つまり私どもが行うサービスは「代行」であるということです。
 
では、なぜ私ども士業が相続サービスを行っているのでしょうか

それは、以下のつの理由からです。 

相続サービスを行う3つの理由

1.沢山の知識が必要!

相続には、「法律」の知識が必要となり、正しい知識を持った上で行わないと、費やした「時間と労力」が無駄になるだけでなく、金銭的な部分で損をしてしまうことも少なくありません。

2.非常に手間がかかる!

「会社を平日に休む」、「大勢の人物と連絡を取り合う」といったように、「時間」と「労力」を大幅に使用します。 

3.失敗をすることが出来ない!

一度行った手続きは取り消すことが出来ない場合もあります。後から自分が不利になることに気づいてもやり直しが出来ないのです。
また、相続手続きには、相続放棄の「3ヶ月」や、 相続税申告「10ヶ月」、遺留分減殺請求「1年」のように、期限が定められたものが多くあります。 手続き自体が非常に手間のかかるものですので、申請や申告が期限ぎりぎりになってしまうことも 多くございます。一度でも失敗をしてしまうと、やり直すチャンスがない場合も多いのです。
 
上記の繰り返しになりますが、相続手続きを自分で行うということは、まず相続に関してきちんと勉強をして知識を得て、日に会社を休んで役所に行くなど時間を使い、役所や金融機関等を多数訪れ、失敗しないように慎重に慎重に手続きを行わなくてはいけないということなのです。
 
では、次からは当事務所が代行することの多い6つのサービスで、実際にご自分で行った場合と、当事務所に代行を依頼した場合とで、どれだけ皆様への負担が変わってくるかを具体的にご説明いたします。

自分で行った場合と依頼をした場合

私どもが相続において代行することの多いサービスは以下の6つです。
下記の文言をクリックすると直接詳しい内容に飛びます。 

1.戸籍収集 2.相続関係説明図の作成
3.財産目録の作成 4.遺産分割協議書の作成
5.相続放棄の申立て 6.不動産の相続に関する登記

ここからはそれぞれに関して、ご自分で行った場合と、代行を依頼した場合について詳しく説明をしていきます。

1.戸籍収集

相続が開始した場合に、必ず必要になるのが「戸籍」です。
 
そもそも、誰が遺産を相続する権利があるのかを確定させるために、被相続人の出生から死亡までの戸籍を調査する必要があるからです。
 
また、「遺産分割協議」を行う場合、「相続放棄の申立て」を行う場合、「金融機関への手続き」を行う場合等、様々な場面で戸籍が必要となってきます。
 
以下では、戸籍収集の流れとともに、戸籍収集のご説明をさせていただきます。

1.被相続人の本籍地の役所から戸籍謄本を取得する。

被相続人の戸籍を収集していく場合、死亡時の戸籍から遡って取得していくことが一般的です。
よって、死亡時の本籍地の役所に戸籍の請求をします。 

自分で行う場合 代行を依頼した場合
被相続人の本籍地の役場に対して、戸籍謄本を請求します。
直接窓口に出向く以外にも郵送での請求が可能です。
被相続人が遠方に住んでいた場合などは、郵送で申請することが一般的です。
そもそも戸籍の請求方法がわからないという方もいらっしゃると思います。
当事務所では、死亡時の戸籍だけでなく、必要となる戸籍をすべて代行取得させていただくことが可能です。

 
※必要な戸籍の参考写真(戸籍謄本)
被相続人の死亡時の本籍地に戸籍謄本を請求した場合は、以下の写真のようにコンピュータによって電子化された戸籍謄本が渡されます。この様式の戸籍は、日常生活でも必要とする場合が多くありますので、皆様にも馴染みがあるかと思います。戸籍収集完了までの長い道のりはここからスタートします。 

戸籍謄本1-thumb-180x193-186

2.被相続人の戸籍をチェックしながら、出生から死亡までの戸籍をすべて取得する。

取得した戸籍を読み解き、死亡時から出生時までの戸籍をすべて収集していきます。戸籍を読み解くためには、相続に関する知識が必要になってきます。

戸籍を収集していくと、最終的には5~8通程度の戸籍が必要となることが一般的です。 

自分で行う場合 代行を依頼した場合
必要な戸籍が一通のみである場合はほとんどありません。
出生時は親の戸籍に入りますが、婚姻時には新たに戸籍が作成されますので、それだけでも必要な戸籍は2通となります。
また、戸籍は平成6年に紙形式での保存から電子データでの保存が認められたため、各自治体において、順次戸籍データの電子化が進められました。よって、平成6年以前に産まれている方であれば、ほぼ確実に、電子データの「現在戸籍」と改正前の紙で作られた「改製原戸籍(古い戸籍)」が存在しています。
更に、昭和32~40年の間にも戸籍様式の変更が行われていますので、被相続人の方がご高齢であればあるほど、存在する戸籍は増えていきます。
出生時から死亡時までの一連の戸籍を取得するということは、上記のように必要な戸籍をすべて取得しなくてはいけないということですので、どの戸籍が必要かを把握するだけでも知識がないと大変です。
必要な戸籍をすべて取得いたします。
被相続人の方の情報をお伺いした上で、必要な戸籍を判断し、役所に対してすべて代行して請求いたします。
私どもは相続の専門家ですので、必要となる戸籍がどのようなものになるかを正確に判断することが可能です。

※必要な戸籍の参考写真(除籍謄本と改製原戸籍)
ご自身で戸籍を収集しようとなさる方が一番苦労するのがこのポイントです。取得しなければいけない戸籍の画像を以下に掲載しておりますが、手書きで書かれたこれらの戸籍はまるで古文書のようです。
慣れた人間でも判別に困ることもあり、これを一つ一つ読み解いていく作業は困難を極めます。

除籍1-thumb-180x134-192

3.本籍地が移転していた場合、全ての役所から戸籍謄本を取得する。

被相続人が、婚姻により、居住地を変えていた場合や、引越しをした際には、市区町村をまたいで本籍地が移動している場合も少なくありません。
その場合には、出生まで遡ってそれぞれの役所に戸籍取得の申請を行う必要がございます。 

自分で行う場合 代行を依頼した場合
上記の戸籍を読み解く作業を行っていくと、最初に申請した市区町村だけでは全ての戸籍が揃わないことが判明することがあります。
その場合には、過去に本籍が置かれたすべての役所に対して戸籍取得の申請を行う必要がございます。
通常、一つの戸籍から判別できるのは、一つ前の本籍地のみですので、転籍を繰り返している場合には、取得して判別という流れをその都度繰り返す必要がございます。
最近では、合併等により市区町村名が変更になっている場合もあり、どの役所に請求をすればいいのかが判断しづらいこともございます。
郵送で手続きが行えるとはいえ、この作業を複数回繰り返すことは非常に手間がかかります。
また、戸籍を読み解く作業自体も慣れていないと難しく、戸籍に関する知識が必要となってきます。
戸籍を読み解く作業から、役所への申請まで全てを代行させていただきます。
役所への申請→判別→また別の役所への申請→判別という非常に手間がかかる作業を代行することで、お客様の負担を大幅に軽減することが出来ます。

※戸籍の請求用紙
郵送で戸籍を請求する場合には、以下のような請求用紙に記入した上で、封書で申請を行います。
ただ郵送するだけならば楽なのですが、交付に伴う費用は「現金書留」または「定額小為替」等で支払う必要があります。普段使い慣れない支払方法ですし、結局のところ郵便局の窓口に出向くことになるかと思います。

戸籍請求1-thumb-195x215-204

4.相続人を判断する。

相続において一番わかりづらいのがこの相続人の判断です。
遺産は法律で定められた相続人のみが相続できます。(遺言書がある場合を除く)
どのような場合に誰が相続人となるのかという知識が必要です。 

自分で行う場合 代行を依頼した場合
相続には、法定相続人というものが定められており、相続順位というものもございます。
この相続順位に従い法定相続人を定める作業は専門的な知識を必要とします。
もし、法定相続人の抜け漏れがあった場合は、相続完了後でも相続を一からやり直さなければいけないのです。
また、「代襲相続」や「数次相続」が発生している場合には、上記1~3と同様の流れで、亡くなっている方の出生から死亡までの戸籍を収集する必要がございます。
相続人に関しては、戸籍の収集を開始する前の段階で、お話をお伺いし判断を済ませておきます。
知識がないと判断しにくい相続人ですが、専門知識を持ち、多くの事例に携わってきた専門家であれば、正確な判断が可能です。
また、「代襲相続」や「数次相続」など複雑な相続が発生した場合でも、戸籍の収集を代行いたします。

5.相続人全員の戸籍と必要書類を収集する。

戸籍収集の目的は相続人を確定させることにあります。
被相続人の出生から死亡までの戸籍がすべて揃った段階で、相続人を確定させなければいけません。
相続人が確定した段階で相続人全員の戸籍も取得する必要がございます。
また、住所確認のための書類として、被相続人と相続人の戸籍の附票や住民票を取得する必要がある場合もございます。 

自分で行う場合 代行を依頼した場合
全ての相続人が確定した段階で、それぞれの戸籍謄本も収集します。
相続登記を行う際や、銀行からの預金引き出しを行う際には、相続人全員の現在の戸籍も必要となるからです。
この作業は相続人の人数分行う必要があるので、非常に手間がかかる作業です。
また、戸籍の附票や住民票を必要とする場合もあるので、その手間は何倍にも膨れ上がります。
戸籍の取得は、本籍地の役所でしか行うことが出来ません。
相続人がそれぞれ離れて暮らしている場合でも、すべての役所に申請をして代行取得させていただきます。
戸籍の附票や住民票といった必要書類も、もちろん代行取得いたします。

戸籍の附票1-thumb-195x213-206

2.相続関係説明図の作成

相続関係説明図の作成は、上記の戸籍収集に付随する業務ではございますが、相続関係説明図を作成することで、相続登記を行う際に戸籍の原本を還付してもらえるといったメリットがございます。

自分で行う場合 代行を依頼した場合
相続関係説明図を作成する場合には、必ず記載しなくてはならない事項等、決まった様式/b>がございます。
ただでさえやることが多い相続手続きの最中に、更に勉強しなくてはいけないのです。
法的に効力を発揮する形での相続関係説明図を作成いたします。
相続関係が複雑になればなるほど、この図を作成する能力も必要となってきますが、豊富な知識と経験から、一目で相続関係がわかるような、わかりやすい図を作成いたします。

※相続関係説明図の参考写真
以下のような関係説明図を作成します。代理人として司法書士の名前を記載しますので、よりご安心いただけるものになるかと思います。

相続関係説明図1-thumb-195x215-210 

3.財産目録の作成

相続を行う上では、「誰が」相続するかという相続人の確定と同じくらい、「何を」相続するのかという財産目録の作成が非常に重要です。
遺産分割協議書を作成する際には、この財産目録が必ず必要となります。
相続完了後に財産が見つかった場合には、最悪の場合相続を一からやり直す必要が出てくる場合もございます。
そうならないためにも、正確な財産目録を作成しておく必要があるのです。

自分で行う場合 代行を依頼した場合

財産目録を作成する場合には、まずは財産を調査する必要がございます。
相続財産には大きく分けて「不動産、預貯金、動産」の3つに区分することが出来ます。
それぞれに価値の評価方法が定められており、正しい評価を行わないと後々のトラブルの原因となります。
また、財産には借金のようなマイナスの財産もございますので、これらもしっかり把握する必要がございます。
相続財産がすべて判明した段階で、財産目録を作成するのですが、何が相続財産になるのかを判断するのは知識がないと難しく、多くの場合抜け漏れがが発生します。

財産を把握する上で必要なのは、何が相続財産になるのかを判断し、正しい評価をするための知識です。
財産目録の作成を依頼していただければ、財産調査の段階から財産の抜け漏れがないようにしっかりサポートし、正しい評価の仕方まですべてお伝えします。
すべての相続財産が判明した段階で、財産目録を作成します。

※財産目録の参考写真
財産目録とは以下のようなものをいいます。中身を見ていただけるとわかりますが、すべての財産が金銭評価されている点がポイントです。現金は簡単ですが、土地や建物、有価証券などはそれぞれに財産評価の方法が決められています。専門家の知識が必要となるポイントでもございます。

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4.遺産分割協議書の作成

相続人調査が終了し、相続財産を全て把握した後は、実際の遺産分割を行います。
相続人間で合意した内容を遺産分割協議書にまとめることで、それぞれの相続人の相続分が確定し、名義変更の手続き等様々な場面で使用することが出来ます。

自分で行う場合 代行を依頼した場合

遺産分割を行う際には、法定相続分や遺留分、寄与分といった決まりごとを把握しておく必要がございます。
そもそもこの決まりを守っていなければ、後々のトラブルの原因となります。
また、遺産分割協議書自体にも、一定の要件がございます。
遺産分割と遺産分割協議書の作成は、正しい知識を持った上で行わなければなりません。
この知識を勉強するためには、膨大な時間が必要になるでしょう。

遺産分割協議書を作成する前の遺産分割の段階からサポートいたします。
特定の相続人の代理人となることは法律で認められてはいないため、相続人間の協議で決定した内容が、法的に問題がないかを判断するといった補助的なサービスが主なサポート内容です。
遺産分割の概要が決定した後は、協議書の作成を代行し、きちんと用件を満たした遺産分割協議書を作成いたします。

※遺産分割協議書の参考写真
主な内容としては誰の(被相続人が複数名の場合も)、どんな財産(預貯金の場合は銀行名や金額、土地の場合は住所と評価額等)を、誰が(相続人)相続するかが書かれています。最後にすべての相続人が合意したことを示す押印がされ、印鑑登録証明書が添付されます。この協議書の作成自体も膨大な知識と手間が必要ですし、相続人間のやり取りにも多大な労力を必要とします。

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5.相続放棄の申立て

被相続人の遺産を調査した結果、プラスの財産より、借金等のマイナスの財産が多かった場合に、プラスの財産も含めたすべての財産を相続しないという選択をすることができます。それを「相続放棄」といい、「相続の開始を知った日」から3ヶ月以内に行わなくてはいけないという期限があります。

自分で行う場合 代行を依頼した場合

相続放棄は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申立てます。
申立ての前に、被相続人の出生から死亡までの全戸籍、相続人の戸籍を揃える必要があり、その上で、申述書に記入をします。
申述書には、被相続人と相続人の情報や、相続財産の概要を記入した上で、800円の収入印紙を貼り付けます。
すべての必要書類が揃った上で家庭裁判所に申立てます。
その後、家庭裁判所からの照会事項に回答すると、申述が受理されます。
後は、家庭裁判所から相続放棄申述受理の通知が送られてくるのを待ちます。
通知書が送られてきたら、受理証明書を交付してもらい、これを債権者に提示して、相続放棄した旨を伝えます。
これで相続放棄の一連の流れが完了します。

相続放棄の申立てを行う際には、戸籍の収集が必要不可欠ですので、まずは必要な戸籍をすべて代行して収集します。

その後、申述書を作成し、家庭裁判所への申立てから受理されるまでの一連の流れをすべて代行します。

私どもは、豊富な法律知識と経験を持ち合わせておりますので、複雑な相続関係においても対応することが可能です。

 

※相続放棄の申述書類の画像
相続放棄の手続きは、家庭裁判所にて行います。手続きの際に必要となる書類のひとつが下記の申述書です。財産の内容等を正確に記入する必要がございます。

相続放棄-thumb-193x211-269

6.不動産の相続に関する登記

被相続人が残した土地などの不動産を相続した場合、所有者の名義を変更しなければなりません。名義変更が済んでいない不動産は、売却することも出来ず、期間が長くなればなるほどトラブルが起こりやすくなります。所有者が変わったタイミングで所有権を変更する登記を行いましょう。

自分で行う場合 代行を依頼した場合

相続登記の手続きは、不動産の所在地を管轄する法務局(登記所)で行います。
まず、相続する不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)を取得し、その不動産の正確な情報を把握します。これも管轄の法務局へ交付申請を行います。
その後、被相続人の出生から死亡までの全戸籍と、相続人の戸籍を収集します。
相続人の住民票も必要です。
また、登記を行う際に、「登録免許税」という税金を支払う必要があるのですが、この税金を算出する根拠となる「固定資産評価証明」も取得する必要があります。
これは、管轄の役所で取得します。
他に遺産分割協議書や相続関係説明図が必要となることもございます。
すべての書類が揃った段階で法務局に申請を行います。
登記の申請自体というよりも、戸籍やその他必要書類の収集が非常に面倒で、専門家以外が申請する場合には、不備が発生することも多くあります。

相続登記には、戸籍の収集が必要不可欠ですので、まずは必要な戸籍をすべて代行して収集します。
その後、不動産に関する登記情報や評価証明書など必要な書類をすべて収集し、手続きに向けた準備を行います。

もちろん、法務局への申請自体も司法書士が代行いたします。
最終的に登記完了証をお渡しして終了となります。

相続関係が複雑になればなるほど、本人での申請は難しく、また被相続人の死亡後時間が経てば経つほど、トラブルも起こりやすいので、専門家に依頼するほうが早くて確実です。

※登記事項証明書と登記完了証
法務局から取得できる登記事項証明書は、土地の地番や地目、地積などが記載されており、当然権利者についての情報も記載があります。また、登記が完了した際に発行される登記完了証もございます。


公開日:
最終更新日:2016年5月6日

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