事業主である親の相続放棄
事業主の親からの相続
相続放棄の相談では、親が事業主であるケースというのも多くあります。
相続放棄するかどうかの前に、事業を誰が継続するのか、または廃業して整理してしまうのか、現状の収支はどうか、債務はどのくらいあるのか、などチェックしなければならない点がたくさんあります。
相続放棄の相談者の中には、故人の遺言で長男が事業や財産の全てを継ぐことになったが、相続放棄はする必要があるだろうか?という相談内容もあります。
この場合、相続放棄は不要な感じがするかと思いますが、もし今後事業の経営が悪化した場合どうでしょうか?
相続放棄の手続きをしなかった場合、債権者にとっては相談者も相続人と1人として返済を求める対象になるんじゃないでしょうか?
相続放棄をするかどうかという問題は、あとになってから大きく結果が違ってきたりして、相続放棄すればよかったと後悔する方も多いようです。
また、相続放棄の手続きには期限がありますので、少しでも早く相続放棄のプロに相談し、相続放棄するかどうかの判断をされるべきでしょう。
事業を相続放棄するかどうかの判断
親の事業を相続放棄するかどうか迷っているような場合、どうすればいいんでしょうか? まずすべきなのは、相続放棄の専門家に相談することでしょう。
プロに相談することで、相続放棄だけが唯一の選択肢ということもわかるはずです。
相続放棄の他にも、限定承認といって財産の範囲内で負債を受け入れるという形の相続も選択できますし、相談者のなかにもこういう選択をされる方がいらっしゃいます。
また、相続放棄するか限定承認にするか等を判断するには、事業内容をしっかりと把握する必要がありますし、今後どうしていくのかということも決めなければなりません。
ただし、相続放棄など手続きには3ヶ月という期限がありますので、この期間に手続きが完了するように進めていく必要があります。
相続放棄の判断がこの期間に終わりそうにない場合には、相続放棄の熟慮期間延長の手続きをする必要がありますので、これも相続放棄のプロに相談しながら進めたほうが良いでしょう。
そして、相続放棄の申請は一度しか許されませんので、書類の不備等があると負債を全て背負うという大変な結果を招きます。
相続放棄のことはプロに相談して進めていくことをおすすめします。
相続放棄したからといって安心できない?
では、相続放棄が認められればもうまったく関係がないんでしょうか?
相続放棄したらその事業がどうなっても一切責任を追及されないんでしょうか?
この部分については、次の相続人が相続を開始するまでは、最後に相続放棄した人に対して管理義務というものが残ることになってしまいます。
相続放棄の相談に来られる方にも、相談者が相続放棄したら誰も管理する人がいなくなってしまうケースがありました。
相続放棄したんだからもう関係ないと思いたいところでしょうが、相続放棄の次にもうひとつ行っておくべきことがあります。
この相談者の場合には相続財産管理人を立てるということで相続放棄したあとの問題を解決することができました。
相続財産管理人は家庭裁判所が選任し、相続放棄したあとの財産を相談者に代わって管理してくれます。 相続放棄した後も、財産の整理が終わるまでは何らかの管理をしていかないと問題が起こってくることがあります。
相続放棄したから安心ということではなく、その後のことも相続放棄のプロに相談すると良いでしょう。
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